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2020.01.01

[三奈木砂糖] 歴史と特徴

三奈木砂糖の歴史(現在の福岡県朝倉市三奈木の地名より命名)

三奈木砂糖の歴史は古く、江戸時代に遡り、当時の三奈木村の祭礼帳(1856年)に記録が残されています。
その後、水車の力により砂糖汁を搾り取ることが普及し、昭和初期には12ヶ所もの水車が作られていたそうです。
三奈木砂糖の生産は、明治末までが最盛期で、砂糖の輸入が増すにつれて砂糖作りは徐々に衰退しました。
しかし、戦後しばらくは再び盛んに生産が行われたが、1965年頃に再び途絶えました。
その後、三奈木地区地元の有志達により何とか地域の伝統的な砂糖作りを再開しようという気運が盛り上がり、三奈木地区住民・床島屋製菓株式会社・行政・JAの協力を得て昭和57年に復興し現在に至っています。

三奈木砂糖の特徴とその希少性

  1. サトウキビを原料とする黒砂糖の生産は北部九州では非常に珍しく、県内では唯一の産地である。
  2. 黒砂糖の生産に関する製法は、百数十年前とほとんど変わらず伝統製法を今に受け継いでいる。
  3. 具体的には、寛政九年(1797年)発刊、木村善之撰「砂糖製作記」という古文書の中に、黒砂糖の製法が詳細に述べられているが、現在の三奈木砂糖の製法も動力が水車から電力に変わった以外ほぼ同じ製法が採られていて、まさしく伝統的な黒砂糖である。
  4. 三奈木砂糖はミネラルや蛋白質を多く含んでおり、特にカリウムとカルシウムが多く、逆にナトリウムが非常に少ない。このことは、黒砂糖がカリウムを無理なく摂れる貴重な栄養食品であると言える含蜜糖です。(糖汁を煮詰め、糖蜜分を含んだまま固めたもの)

製糖工程


製糖作業は、サトウキビが熟して甘くなる11月上旬頃より始まり年内に終了します。(約2ヶ月間)
三奈木砂糖の製糖作業は前にも述べたように伝統製法を受け継いでいます。
サトウキビを搾り、その搾り汁をのぼり窯に設置した1番~3番までの釜に入れて順番に煮詰めていきます。
煮詰めるには、十分な火力を必要とする為、昔と変わらず薪を使用しています。
1番釜から2番釜と丁寧に灰汁(あく)を取りながら煮詰めていき、最後の3番釜(仕上げ釜)で余分な水分が無くなるまで掻き混ぜながら仕上げます。特にこの仕上げが難しく、気を抜くとすぐに焦げてしまいますし、早く仕上げると水分が残り塊りにくくなります。
そのため、砂糖の状態を見ながら、火の番に指示を出したりと熟練した技と経験が必要となってくるのです。
仕上げた砂糖は、大きな冷やし鍋に移し、時間をかけゆっくりと冷ましていきます。
この時も中で焦げつかないよう状態を見ながら掻き混ぜます。
こうして時間をかけ皆様にお届けしています。

  • 1日(一回)の作業時間は、平均20時間前後
    砂糖出来高 平均 400kg
  • 搾り汁100リットルから取れる黒砂糖の量は、15kg前後です。

お客さまへ

三奈木砂糖は、サトウキビの搾り汁だけを、長時間かけてじっくりと「のぼり窯」で煮詰めて作っています。
栽培圃場によってサトウキビの糖度が違いますし、同じ日の製糖でも「窯の火加減」「煮詰める時間」「搾り汁の温度」等、毎回違う中で長年の経験で製糖作業をしていますので、熟練の技と経験をもってしても均一な砂糖をつくる事は至難の技です。
出来上がった黒砂糖の中から詰めやすい物を選んでパックに詰めていますが、黒砂糖に「粗結晶」と「糖蜜」が含まれていて、砂糖の表面に糖蜜が流れる物もできます。
ですが、砂糖の品質が悪くなっている訳ではありませんので、安心して購入して下さい。

JA筑前あさくら 三奈木砂糖研究会


※賞味期限について
上白糖、グラニュ糖、三温糖、さとうきび一番糖などのお砂糖は長期保存しても変質することのない長期間保存が可能な食品なので、賞味期限がありません。また、JAS法でも賞味期限を表示する必要のない食品に定められています。
なお、黒砂糖も賞味期限はありませんが、精製度が低く、色が濃くなったり、風味が変化することがあるので、冷蔵庫に保管し早めにお使いになることをお勧めします。